綱木之里大名行列、賑やかに開催!

東北へ来て自分の持つ「お祭り」の概念が覆されました。

今まで東京や京都に住み、祭りとは伝統的行事を見物するものだと思っていました。あるいは縁日の屋台で食べ物やお土産を買って楽しむものだと。
東京も京都も先祖代々暮らしてきた訳ではなく、一過性の住民でしかないため、祭りの当時者になることはなく、見物してその雰囲気を楽しんでいました。

しかし「見物客」より「当事者」の方が多い田舎の祭りは概念が違います。見せるためにやるのではなく、自分たちが楽しむためにやる。
9月15日に行われた『綱木之里大名行列』も見物するより参加する方が楽しいお祭りです。

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綱木とは人口350人ほどの地域。その地域の住民が中心となって行う大名行列の行事は市指定の民俗文化財に指定されています。
永禄7年(1564)、鳩岡城主・葛西民部少輔が八幡神社を再建した時に始められたとされています。

大名行列は総勢約70人ほど。
白馬に乗った『騎馬先陣』の後を『毛槍』や『挟み箱』を持った『やっこ』が練り歩きます。

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「せーよーおいせー、せいやーとまかせー」とかけ声をかけながら、左右に揺れる独特の歩き方をします。
途中「道中奉行」の「おとりーかえー(お取替え)」の掛け声とともに「毛槍」などの持ち物を相方に投げ渡します。

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やっこ行列の後を神輿が続きます。

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行列を待つ町の人々は神輿の前を歩くこの箱にお供えの米を入れます。

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他にも獅子舞や天狗もいます。

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稚児行列もかわいらしいです。

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以上は祭りの表舞台。

実はその裏側も面白いのです。
今年は初めて『狼河原を歩く 綱木之里大名行列』として、外部から参加者を募ったところ、東京等から計9名が集まり、地元住民に加わりました。
外部参加者は前日の夕方、綱木の集会所『親和会館』に集合し、行列参加のための合宿を行いました。

図1夜19:00からの練習で、行列の際に持つ「持ち物」が大名行列保存会の方から知らされます。「白熊毛」や「小鳥毛」など毛槍の種類により名前がついているのが面白いです。

外部参加者や地元中学生など、初参加の人たちは指導役の住民の方たちから歩き方や道具の持ち方を習います。
手を広げ、足を後ろに蹴り上げる独特の歩き方をしながら、重い持ち物を右手でくるくる回すのは中々難しいです。先端上部が重い持ち物はバランスを取るのも難しく、ちょっとしたコツを指導役に習い、参加者自ら体得していきます。
途中からベテラン勢も加わり大勢で練習です。

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初参加者はまだまだ練習したいところですが、練習を頑張りすぎて翌日筋肉痛になっては困るので、早々に切り上げて盛大に交流会を行いました。

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飲んだ時の盛り上がり方も見事です。皆さん何十年も一緒に飲み交わしてきただけあって、阿吽の呼吸で見事なジョークが飛び交います。

 翌日は6時前に地元の方の声に起こされ、外部参加者だけで朝練です。

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毛槍の投げ方は、あるときふっとコツが分かるようです。

IMG_41968:30頃には行列の参加者が続々と集まりだし、装束を着け、準備をします。
集会所の前で最終練習です。

八幡神社での宮司さんのご祈祷の後、いよいよ本番に向けて行列の出発地点に向かいます。

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花火の合図と共に行列の開始です。

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片道1km、往復2㎞の距離を行列するのは意外と重労働です。雨が降って、綿入れの装束は水を吸ってどんどん重くなり、水平を保たなくてはいけない腕も段々と下を向いていきます。慣れないわらじが指の股に食い込み、足が痛んでうまく歩けなかったり、前掛けがずり落ちないか心配しながら歩いたりと、見えない苦労をしながら、みな無事帰りつきました。

IMG_4465行列の後は直会(なおらい)という名の打ち上げです。
やはりこの祭の後の盛り上がりがあってこそ、翌年もやってやろうという気が起きるのでしょう。

外部参加者へのアンケートでも「今回、綱木の町を内側から知る機会に恵まれとても幸せに思いました。とおりすがるだけの観光とまったく異なり、暮らすように過ごす、というのは町の外から来るものにとってはとても魅力のある企画です。」という声が寄せられました。
やはり、外から見るより参加した方が祭りは楽しいですね。

大名行列のアルバムはこちらからご覧になれます。